東野圭吾という作家
四半世紀くらい前のことだと思います。新幹線に乗る前にたまたま立ち寄った本屋に、伊坂幸太郎と東野圭吾の本が並んで平積みされていました。どちらも読んだことのない作家でしたが、とてつもなくたくさんの本が平積みされていたことに加え、おそらく時間の余裕もなかったことから、深く考えることも、手に取って内容を確認することもなくこの二人の小説を同時に購入しました。どちらの作家の作品を最初に読んだのか覚えていませんが、どちらもとても読みやすいだけでなく、一気に作品の中に引き込まれたことは覚えています。その後も時々二人の小説を購入し、家で、あるいは電車の中で読んでいました。自分としてはそれほど積極的に読んだつもりはなかったのですが、私の本棚を見ると伊坂幸太郎の本は12冊、東野圭吾に至っては25冊ありました。私自身の作家への関心も文学の分野自体の関心も次から次へと変わるものですから、いつしか二人の本を読む機会はほとんどなくなってしまいましたが、二人ともある時期の私を十分楽しませてくれた大事な作家です。
それにしても東野圭吾という作家は恐るべきスピードで新作を発表していました。自宅のすぐそばにある(徒歩1分)本屋に、一時期毎週のように通っている時期があったのですが、いつも東野圭吾の本が平積みされていたような気がします。(もちろんそんなことはないのでしょうが)読んでみると確かにどの本も読み応えがあり、人気作家であるのは最もだと思います。
東野圭吾の作品はあまりにいっぱいありますし、私が読んだのはその中のごく一部ですから紹介するというのはおこがましいのですが、非常に有名な「容疑者Xの献身」「マスカレードシリーズ」などは、登場人物がとても魅力的で、読み始めたらそのまま最後まで読み切ってしまう作品でした(ほかの作品でも同じでしたが)。入院患者さんの中には東野圭吾の本を携えてくる方も時々いますし、職員の中にも東野圭吾ファンという方もいるようです。それにしても次から次へと新作を発表し、そのアイデアはどこから出るのだろうかと、いらぬ心配もしていました。
その東野圭吾氏は、先月7月23日、68歳という若さでお亡くなりになりました。人生とは儚いものです。
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