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唯物史観(ゆいぶつしかん)

唯物史観がどういうものであるかこの短いコラムの中でとても説明 はできませんし、 そもそも自分自身が正しく理解できているか全く自信がありません 。私が知っているのは、「世の中は常に矛盾を抱えているが、 その矛盾の中から新しいものが発生する」 というひとつの歴史観である、ということだけです。 世の中は矛盾に満ち溢れているばかりでなく常に変化しています。 私たちの希望でさえも決して不変ではありませんし、 矛盾も存在します。十年前に強く望んだことも、 今となってはなぜあんなことを願ったのか不思議に思うこともあり ます。私たち個人だけでなく組織も同じす。 原町赤十字病院も同様です。たくさんの矛盾、 不合理なことがあります。 これらは一見よくないことのように思われがちですが、 実はこういったことが存在することで、個人でも組織でも、 バランスをとってうまくいっていることがあります。 またこのような矛盾が原因で組織は崩壊に向かうこともあるでしょ うし、 唯物史観が唱えるように新しいものが発生することもあります。 重要なことは、 このような矛盾をしっかり見極め見つめることです。 職員の皆さんの力で、 この原町赤十字病院に新しいことが生まれることを期待しています 。

薔薇の名前について

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「中之条ガーデンズ」では薔薇が咲き始めたと、 ある患者さんから伺いました。 薔薇の満開時には多くの方が集まるようですね。 早朝に近くまで行ったことは何度もあるのですが、 開園時間前のため中に入ることができません。前橋には「 敷島公園ばら園」があります。ここは 24 時間いつでも入場できる だけでなく、入場料はありません。 好きな時に入って薔薇を鑑賞することができます。 私は毎年新緑の時期に「ばら園」の中を走ります。早朝ですが、 散歩をしたり、ラジオ体操をしたり、 写真を撮ったりしている方々がいつも 10 名程度おられます。 走りながらですのでじっくり薔薇を鑑賞することはないのですが、 それでも様々な色や形の薔薇が目に飛び込んできます。 薔薇の前には立札があり、そこには名前が記載されています。 すべての薔薇に名前があることにいつも驚いています。 とても覚えきれません。ただ名前を持つことで、 それぞれの薔薇が自分の個性を主張しているように思えます。 ところで私たちは何かをしようとするとき、 それに対して名前を付けることは結構意味のあることと思っていま す。その結果、自分がやりたいことが明確になり、 目標が定まることを経験します。

アイデンティティについて

先日「原町赤十字病院の看護師に期待すること」 というタイトルで、 看護師さんに話しをする機会をいただきました。 その時に話題の一つに取り上げたのが、 アイデンティティのことです。 私たちの仕事は、 目の前の切実な問題に直面することが非常に多いと思います。 患者さんの病状のことが最も大事な問題ではありますが、 その家族との関係も重要です。また同僚や後輩、先輩たち、 そして医師をはじめとするスタッフとの関係も問題になるでしょう 。さらに言えば、自分自身の健康問題や将来のこと、 家族のことなど、 考えれば考えるほど私たちの身近にはいくつもの問題が常に存在し ています。 日々の苦労が大きいと、 なかなか他のことを考える余裕はなくなります。こういった時、 自分の置かれている立場、すなわち視座を変えることで、 世の中が少し変わって見えることがあります。 アイデンティティとは「自分らしさ」「自分とは何か」 と言い換えることができます。 これは決して不変なものではありません。 成長とともに変わってくるものだろうし、 視座を変えることで複数持つことができます。 いくつかのアイデンティティを持てると、 その人の魅力に繋がるだけでなく、 様々な問題を乗り越える力を得ることができると、 私は思っています。

連休の早朝の出来事

利根川沿いをランニングしていると、 とても速く走る女性たちに遭遇することがあります。 自転車に乗るコーチと思しき人ともに集団で走っていることもあれ ば、単独で走っていることもあります。 連休中の早朝、 自転車に乗る人を後ろに従えものすごいスピードで走る女性を目に しました。周囲が明るくなり自動車の心配がないところでは、 私は眼鏡をはずしているので決してはっきり見えているわけではあ りません。しかもその時間はほんの数秒です。しかしその姿、 ランニングフォームは、 私には一つの芸術作品のように感じられました。1, 2分毎に別の女性がやはりものすごいスピードで走り抜けます。 走りながら私に向かって「おはようございます」 と声をかける人もいます。 彼女たちはおそらくヤマダ電機の選手かと思います。 ランニングを愛するものとして、 ランニング中にこういう経験ができることは幸せです。 そして彼女たちのたゆまない努力とその姿勢に心から敬服し、 自分もまだまだ頑張ろうと、ごく自然に感じた連休の早朝でした。

ゴールデンウィークについて

わが国では 4 月下旬から 5 月上旬にかけてゴールデンウィークと称 し、職場によっては 7 連休とか 10 連休といったところもあります 。しかしながら私たちの職場では、 職員が一斉に休むことはできません。 ゴールデンウィークに長期の休みが取れないということは、 遠方にある実家への帰省を考えている方、 小さなお子さんがいる方、海外旅行を考えている方などにとって、 休日の計画の選択肢を減らしてしまうこととなってしまいます。 これはとても残念なことです。 一方、世の中が休みの時に仕事をするということで、 少なからず社会に貢献している、 自分が仕事をすることで世の中の人たちが安心して休日を過ごすこ とができるのだ、とも言えます。 そして自分の仕事に誇りを持つことができ、 ある種の優越感を得ることもできるのではないでしょうか。 病院での仕事はとても責任のあるものです。 職員の皆さんがしっかり仕事をしているからこそ、 この世の中は安心な社会となっています。 私たちはもっと自分の仕事に自信と誇りを持ちましょう。