ユーミン

先日図書館でユーミンこと、松任谷由実(荒井由美)の3枚組CDを借りてきました。最近たまたまラジオから流れてきたユーミンの声を聞きとても懐かしい気持ちになったとともに、しっかり聞いてみたいという気持ちも手伝い、その気分が消えないうちに借りてきた次第です。

改めて確認すると、ユーミンは私より9学年上です。初めてその声を聴いたのは(ユーミンの歌として認識して聴いたのは)中学か高校時代で、「卒業写真」という曲だったかと思います。中学、高校、大学時代を通じて、ユーミンを夢中で聴いているという友人は一人二人を除きほとんどいませんでしたし(その一人二人はユーミンを強く推していましたが)、私自身も積極的に聴いているわけではありませんでした。ユーミンの洗練された歌は自分にはあまりにも都会的で、田舎の町で育った私にはどうも世界が違い過ぎる感を抱いたものです。ユーミンの歌はいいね、などと他人に言うのはなんとなく憚れましたし、ちょっと大げさですが、日本男児たるものユーミンの歌を聴くとは何事か、などと誰かに言ったわけではないのですが、自分の中ではそんな間抜けな考えを抱いていたような気がします。しかしこちらが聴こうと思わなくても、時々ラジオから流れてくるユーミンの歌と声は、私たちの周りに存在している空気みたいにごく自然に存在し、それがいつしか心に響き、その時の情景とともに記憶に残っているのですから不思議です。レコードやCDを購入したことも借りてきたこともなく、およそ50年間という長期間にわたりそんな感じで聴いてきたにもかかわらず、気がつけばずいぶん多くの曲を知っているし、ユーミンはいいなあといつしか思うようになっているのは、今更ながら驚きです。

ユーミンの歌を聴きながらこの文章を書いています。この文章を書きながらユーミンを聴いているといると言ってもいいかもしれません。歌詞をしっかり理解しているわけではありませんが、いくつかの忘れなれないワンフレーズが十分心に届いています。

いつか余裕のある時に、ユーミンの歌を、その歌詞を味わいながらじっくり聴いてみたいと思います。その時は焼酎や日本酒を飲みながらではなく、ワインでも飲みながら、自分が都会に住む洗練された人間と心の中で偽って(そんな必要はないのでしょうが、若き日に抱いたユーミンの敷居の高さがいまだに小さな障害物になっています)聴こうと思います。つまり素直な気持ちで聴けばいいということですね。


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