What is a Hospital?
原町赤十字病院は令和6年8月1日より「帰宅支援サービス」を開始しました。公共交通機関が乏しくしかも高齢化が進む地域では、どこに行くのも大変な労力を伴います。限られた地域のみでの運用ですが、住民の方々にお役に立てばとてもうれしく思います。上毛新聞がこの事業について2回掲載してくださいました。この事業実現のために尽力したプロジェクトリーダーである森翠係長はじめ、多くの関係者の皆様に深く感謝申し上げます。そしてこの事業がさらに発展するよう、利用者の皆さんの意見を謙虚に受け止め、より良い方向に向かっていくことを願っています。
ところで私自身は、今回の事業を計画する中で、時々今回のタイトルの疑問が頭をよぎりました。「病院とは何ぞや?」「病院の役割は何なのか?」
病院とは何か、全くの私見ですが、ここで整理をしたいと思います。
1. 患者さんの症状や訴えから診察、診断し、治療やケアをするところ (これについて異論はないでしょう)
2. 健康診断や各種がん検診により利用される方々の健康管理を行うところ (すべての病院が行っているわけではありませんが、原町赤十字病院のような地方の中核病院では重要ですし、これからもより充実されるべきと思います)
3. 地域社会の中で最も人が集まる場所の一つでありコミュニティの中心 (病院には患者さんやその家族、健診を受ける方、その他様々な人たちが多数訪れます。原町赤十字病院にも毎日たくさんの人が来ます。吾妻郡内で最も多く人が集う場所の一つでしょう。何らかのイベントをするのに最も適した場所です)
4. 住民の生活を支援するところ (同じ目的の組織は多数存在します。病院もそのうちの一つですし、今回の事業もこれに該当するかと思います)
5. 職員が自分の仕事に誇りをもって、気持ちよく働くことができるところ (これは私自身の目標であり夢でもあります。病院の仕事は献身的部分が多いがゆえに、少なからず自分を犠牲にしなくてはいけないことがあります。この崇高な精神は貴重なものですが、それだけに頼るわけにはいきません。気持ちよく働ける職場になるよう、変えるべきところは変え、新しく始めるべきところは速やかに始めたいと思います)
私自身の医師生活を振り返りますと、若い時は1.の部分しか頭にありませんでした。しかし同じ病院に25年も働いていると、自分も年を取りますが、患者さんやその家族も同じように年を重ねます。1.はもちろん大事であり、それについては一歩も譲るつもりはありませんが、それと同じように、もしくはそれ以上に、4.の生活支援の重要性を実感しています。
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