高崎芸術劇場
先日初めて高崎芸術劇場を訪れました。もちろん演奏を聴くためですが、建物自体にも興味がありました。音楽のためだけの劇場というものはいいですね。気のせいでしょうがそこにいる人たちは皆美しく見えてしまいますし、皆善い人のような気がしてしまいます。その場に身を置いているだけで、とても心地よく感じました。
私は音楽が好きですので、一人の時であれば必ず何らかの音楽を流しています。しかしたいがいは本を読みながら、あるいは仕事をしながらですので、音楽をじっくり味わいながら聴くということはあまりありません。それでも流れてくる音楽が急に自分の心身に襲い掛かり、何らかの情動などが沸き立つことも、極まれですが経験するところです。
音楽の演奏会にはいつも行きたいと思っていましたが、大学卒業後はほとんど出向くことはありませんでした。仕事が忙しかったということではなく、自分の気持ちに余裕がなかったためだと思います。自分が思うほど、音楽のことが好きでなかったのかもしれません。しかしここ数年は知り合いの方々から演奏会の話をいただくことがあり、できる限り参加しています。そのたびに音楽の魅力を実感し、いつかは音楽のためだけの会場で生の演奏を聴いてみたいという気持ちが日に日に強くなっていました。
小中学校時代、地元の市民会館で開催されたクラッシックの音楽会にはよく聴きに行きました。当時「オーケストラがやってきた」というテレビ番組があったのですが、その公開放送にも行ったことがあります。(ドリフの公開放送には友人とともに複数枚のはがきを送ったのですが、残念ながら外れて行けなかったことを急に思い出しました ついでに書き加えます)その頃から、いつかは音楽専門の会場で音楽を聴いてみたいと思っていました。
振り返ると、音楽のためだけの会場に行ったことは3回のみです。最初は大学浪人時代の東京文化会館、そして大学卒業旅行で行ったスカラ座とオペラ座です。今回がなんと36年ぶりということになります。
今回の演奏会の曲目の一つが、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番でした。私がとても好きな曲の一つです。オープニングのクラリネットの音を耳にしただけで夢見心地になってしまいました。第3楽章の最後のクライマックスの部分は、何度聴いても自分自身を高揚させ、まだ終わりにならないでほしいと余韻に浸ってしまいます。だからこそいつまでも心に残るのでしょう。念願の生の演奏を聴くことができ、幸せなひと時でした。
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