6月8日の早朝、いつものようにランニングをしていたとき、蛇に2回遭遇しました。蛇を見るのは2,3年に1回ですので、1日に2回は初めてのことだと思います。広いランニングコースであれば避けることは容易ですが、狭いコースですと大変です。最初はやや狭いコースでしたが端にいたため素早く走り抜け、二度目は広いコースでしたので難なく走り切ることができました。この時期は時々起こることなので、少しばかり注意してコースを選んでいます。

ところでなぜ私たちは蛇を恐れるのでしょうか。恐れない人もいるのでしょうが、たぶんそれは少数派ではないでしょうか。

今まで蛇に危害を加えられたことは全くないのですが、個人的にはどうしても好意を抱くことができません。これは偏見なのかもしれませんが、ある研究によると蛇を恐れるのは「恐怖の情動反応」という考え方があるようです。「情動」とは感情のひとつで、急激に生起し短期間で終始する反応振幅の大きい一過性の感情状態と定義されているようです。中長期的に持続する「気分」とは異なるものです。「情動」の要因としては、外界に対する反応に加え過去の体験をもとに構築される、普段抑制されている情動を関連する爬虫類の脳がある状況で生起される、そして「怖れ」という概念を経験し知覚していることで生起される、といった三つのことが考えられているようです。難しいことを書きましたが、もちろんある博士の説を要約したものです。

なぜ蛇が怖いのか、これは「恐怖の情動反応」というものがその原因ということですが、それを知ったからといって蛇が怖くなるわけではありません。当然ですよね。ところで三つ目の説である、その概念を経験していること、理解していることが情動を引き起こすというのは、なんとなく納得するものです。

6月9日、第10回日本栄養治療学会関越支部学術集会が開催されました。原町赤十字病院の50名近い職員をはじめ、多くの人たちの協力を得て、無事大会長の役目を終えることができました。この場を借りて深く感謝いたします。この大会の準備する中で、そして大会中も、振幅の差こそあれ様々な情動が沸き起こったような気がします。それはプレッシャーになることもあれば、自分自身を励ますこともありました。生きていく上で「情動」という刺激は常に存在し、それを何らかの方法で私たちは対応していくことになります。乗り越えることもあれば、打ちのめされることもありますし、今回の蛇に遭遇した時のように、横目で見ながら何にもなかったような顔をして通り過ぎることもあるでしょう。

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