群馬ストーマ・排泄リハビリテーション研究会に参加して

3月9日の土曜、「第35回群馬ストーマ・排泄リハビリテーション研究会」に出席しました。久しぶりの参加でしたが、以前と同じように多くの医療従事者が熱心に聴講、議論していたのが印象的でした。

ストーマとは人工肛門、人工膀胱のことです。医療従事者でないと目にする機会はあまりないかもしれません。医療に従事していても、外科や泌尿器科の医師、その担当部署で働く看護師でないと接することは少ないでしょう。群馬県では現在2300名以上の方がストーマを保有していると言われています。決して少ない数ではありません。原町赤十字病院でも年間10名から15名程度の方が人工肛門造設の手術を受けています。もちろん自ら望んでストーマ造設術を受ける方はいません。何らかの理由があり、やむを得ずこの手術を受けることになります。したがって手術前には十分説明し、同意を得ることになります。ただしこの手術は緊急で行うことも多く、この場合は短い時間に説明し同意を得る必要があります。医師だけでなく看護師の立場も重要です。

人工肛門になるとその生活は大きく変わることになります。ストーマ保有者には、人には言えないようなたくさんの苦労があることは容易に想像されます。またその管理方法、装具など、日々変化、進歩しています。ストーマの保有者の生活が少しでも快適になることを願って、今では多くの病院でストーマ外来というものが存在します。

原町赤十字病院でもストーマ外来の歴史について紹介しましょう。私自身は、この外来を開設することがストーマ保有者にとって間違いなく有益である、という確信がありましたので、その考えに同意してくれた看護師とともに平成15年(2003年)6月27日にストーマ外来を開設しました。当時から関わっている看護師がその後認定看護師の資格を得、今では原町赤十字病院だけでなく群馬県のストーマ管理のリーダーの一人として活躍している姿を見ると、大変頼もしく、またうれしく思います。

ところで今回の研究会のテーマは「ストーマと災害への備え」でした。原町赤十字病院からの発表もそれに関するものでした。実際に災害救護の経験のある看護師の発表でしたが、発表の内容も、またその質疑応答のやり取りも大変立派なもので、私自身も誇らしい気持ちになりました。原町赤十字病院のストーマ外来のレベルの高さを知らしめることができたと思うと同時に、今後も群馬県の指導的立場になっていくことを強く望むところです。

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