音楽の力

医療に携わるものとして、医療に関わる最低限の知識と技術を得る努力を惜しまないことは当然の義務です。またそれが医療機関に訪れる患者さんや家族、そしてその地域で生活する住民の幸せためになると信じてきましたこれからもその思いは変わらないでしょう 

しかしながら長年この仕事に関わってきた私は、医療の知識や技術重要であることは理解しますが、医療だけで人間は幸せになることはないいつしか実感するようになりました。受付で優しい声をかけられてとても安心した、検査前の緊張しているときに背中さすってもらいほっとした、などの言葉をたびたび耳にします。その通りなのだと思います。れらの行為に医療という言葉が持つ負の部分である冷たい響きを、体の奥底からじんわりと温めてくれる力があるのだと思います。これからの医療機関は、病気を治すことよりも、人を幸せにすることを第一に考えるべきなのでしょう原町赤十字病院もそのような病院になってほしい個人的には思います。もちろん病気が治ることが幸福につながる最も大事な方法であることは私自身も十分承知していますし、その努力を怠ることは決してありません。 

ところで医療以外で人を幸せにするものには他に何があるでしょうか。たくさんあるでしょう。音楽の力その中でもかなり上位に占めるものだと思います。 

2月18日の日曜、前橋市で吹奏楽の楽団によるコンサートがありました。私は音楽が好きなので普段もよく聞きます。聞くhear です。この文章を書いているときも必ず音楽を流しています。本を読むときも勉強するときも同様です。集中しているといつの間にか終わっていることもしばしばあります。聞くとは実に気軽なものです。今日は音楽を聴いてきました。聴くListenです。 

意識せず聞こえてくる音楽が、ある情景の記憶と強く結びつくことはよくあります。映画のあるシーンなどでも同様なことが言えます。聞くから、いつの間にか聴いていることもあるでしょう。音楽のコンサートは始めから聴くになります。 

今日のコンサートの楽団メンバーの一人が原町赤十字病院の職員でした。だからというわけではありませんが、より親しみを持って楽しみながら聴くことができました。さらに楽団全体の姿、個々の演奏姿勢、美しい楽器そのものも、視覚的に見る(seeではなくwatchもしくはlook)ことができ、とても幸福な時間を過ごすことができました。演奏してくださった方々に心から感謝申し上げます。 

コメント

このブログの人気の投稿

中学時代の記憶

故郷忘じがたく候

院長室便りを始めます