グリーフケアから考えること
2月3日の土曜午後、東吾妻町中央公民館で「グリーフケア」の研修会が開催されました。久しぶりの対面方式の研修です。吾妻郡内の医療介護の従事者、行政の職員など50名以上が参加しました。研修会そのものもよかったのですが、多くの人と直接話しができたことが何よりうれしいことでしたし、改めてその重要性を実感した次第です。
ところで「グリーフケア」という言葉をご存じでしょうか。あまり馴染みがないかもしれません。私自身も実はよく知りませんでした。研修会で得た知識ですが、「Griefグリーフとは、大切な人、モノを失った後に起こる、心的・身体的反応で一定期間続く。それをそっと支援すること」ということです。そっと支援というのは私自身の解釈です。吾妻郡では毎年800から900名の方がお亡くなりになります。私たちは「グリーフケア」にもっと関心を持つべきなのかもしれません。それは「心のケア」が中心であるべきですが、「生活の援助」も同じように大事なことです。医療介護従事者、行政が一体となって取り組むべき課題のひとつと考えます。
話しが変わりますが、先週原町赤十字病院のある職員から「生活者の視点」で患者さんをケアすることの重要性を指摘する意見がありました。とてもいい言葉だなあと、深く感銘を受けました。病院で働いていると、どうしても病気をよくすることに意識が向きがちです。「医療者の視点」としてそれは当然のことであり、大切なことです。ただしそこに「生活者の視点」を加えることで、さらに多くの重要な問題に気付くことができるかもしれません。グリーフケアとも関連することだと思います。
住民が医療に望むことは千差万別です。原町赤十字病院をはじめ、吾妻郡の医療機関のみで提供できる医療には限りがあります。すべての希望をかなえることはできないでしょう。しかし私たちはそれを卑下する必要はありません。吾妻のような地域だからこそできることがあります。それは「生活者の視点」で「生活を援助する」という考えのもとに、診療する、ケアする、サポートするということです。私たちの周りには様々な繋がりがあります。繋がりが乏しい方もいます。すべての方にそれぞれの生活があります。それを支える「生活者の視点」こそ、私たちに求められていることなのでしょう。吾妻ではきっとそれができると、私は信じています。
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