知っているけど知らないこと

10月28日の午後、事務部長と看護部長と3人で社会福祉法人愛星会「やまばと」を訪れました。20年以上原町赤十字病院で働いているのですが、訪問は初めてです。

私は小学校の高学年頃、母親に1枚の映画チケットを渡されました。それは「ねむのき学園」という、肢体不自由児童養護施設の記録映画です。映画の内容はほとんど覚えてはいないのですが、その中の映像のいくつかの場面は、私の心の片隅にずっと消えることなく存在していました。しかしそのことについて口をすることほとんどありませんでした。というより、私が意見を言ってはいけない、意見を言える人間ではないと、誰かに強制されるわけでなく、自分で自分を戒めていたような気がします。

今回「やまばと」の職員に一人に優しいお誘いを受け、行くことにしました。もちろん私が子供時代に見た「ねむのき学園」と「やまばと」は全く異なる施設です。「やまばと」に入所している人の平均年齢は、確か54歳くらいと伺いました。車いすの方もおりません。よって、私のかすかな記憶にある「ねむのき学園」と「やまばと」を比較すること自体が誤りであり、このコラムを読んで不快に思った方に申し訳なく思います、お許しください。

ところで私は「やまばと」という施設の存在をもちろん知っていました。そこに入所している人も時々外来でお見かけします。しかし入所している人たちがどういう場所で、どんな生活をしているのか、そしてそこで働く職員はどういう人でどんなことを考えているのか、全く知りませんでした。知ろうという努力を払うこともありませんでした。今回の2時間程度の訪問で知ったというつもりは毛頭ありませんが、その一端を垣間見ることができ、貴重な機会をお与えくださった優しい職員の方々に深く感謝する次第です。

最後に この日の午前中、原町赤十字病院の災害救護訓練が行われました。職員の皆さんがとても頼もしく見えました。また夜は4年ぶりに高校時代の部活動の仲間と伊香保で再開しました。いつも思うことですが、まるで昨日も会っていたような形で会話は始まり、明日また会うような雰囲気で翌日朝に別れました。昔からの友人はいいものです。

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