見ようとすること

9月16日の土曜、群馬大学総合外科学講座の総会および懇親会が開催されました。対面での開催は久しぶりです。数年前に群馬の外科は統合され、一つの大きな集団を形成しています。その中心が群馬大学総合外科学講座開講記念会というもので、現在会員数は311名です。一見多いように感じるかもしれませんが、私自身を含め還暦を越した先生も非常に多く含まれています。今後の群馬の外科医療の維持を考えると、多くの若手の医師が入会してくれることを強く期待しています。

ところで総会と懇親会の間には記念講演会がありました。特別講演をしてくださった先生の言葉を一つ紹介します。外科医として、そして医療者として常に新しいことを考え続けることは重要、そのためには「see with unclouded eyes」 という姿勢を持ちつつづけるべきということでした。「曇りなき眼(まなこ)で見定めよ」ということです。じつは「もののけ姫」のアシタカのセリフでもあります。いい言葉ですね。しかしこれほど難しいことはない。私たちは多くの経験を経て今の自己があります。素直な心を持ち続けたいとは思っても、なかなか困難です。

もう一つ紹介します。これは懇親会の乾杯の挨拶の中での話です。私たちは様々なものを見ているが、本当に見えているのだろうか? 例えば内視鏡画像ある病変が存在しても見えていないことがある。「ある」から見えるのではない、「見ようとする」から見えるのだ、という言葉です。言い方を変えると、見ようとしない限り、見えることはない、ということです。こちらは私たちの心がけと努力次第でできるかもしれません。

私たちの周りには実に多くの物事が存在します。できる限り、見ようとする努力をしていきたいと思います

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