言うは易く行うは難し

最近たまたまテレビをつけたら、演出家の宮本亜門氏が様々な年代の人を対象に、自分の生きてきた半生を語る番組をやっていました。すでに終盤でしたが、面白かったので最後まで見ました。この中で最も心に残ったのは、講義が終わった後のインタビューです。ある若い女性が、「自分が何かの行動をするとき、その行動に迷いがあったり悩みがあったりする場合、行動する自分を見つめるもう一人の自分を意識して、そのもう一人の自分がいいと思える行動をしたほうがよい、と宮本先生がおっしゃっていた。最近道を歩いていたとき目の前にゴミが落ちていた。そのまま通り過ぎようと思ったけど、もうひとりの自分は拾った方がいい、と考えた。そしてごみを拾い、ごみ箱に捨てた。とてもいい気持がしました」いい話だなあと私自身も感銘を受けしましたが、一方で、「言うは易く行うは難しだなあ」と、もう一人の自分は考えていました。

ところがその数日後、つい先週のことです。この女性が話した通りの光景を、私は偶然目にしました。朝いつものように7時半過ぎに病院に到着し駐車場内を歩き始めると、私よりずいぶん前方を歩いていた一人の職員が急に立ち止まり、何か白いものを拾っていました。遠くだったのではっきり見えませんでしたが、使い古されたマスクのようでした。その職員はそれを拾った後に病院の中に入っていきました。

この光景を見て私はとても幸せな気持ちになりました。善い行動は人を幸せにしますね。

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