働くということ
人間社会の黎明期、ひとは自然との関係の中で生活手段を得ることで生存しえました。その当時、働くということは生きるということとほぼ同じ意味であり、労働という意識、概念はなかったと推測されます。それが古代ギリシャの時代になると、人間社会の中で身分の違いが強調され、労働は苦役、という考えに変わってきたようです。ところが15世紀の宗教改革の時代、プロテスタンティズムの台頭とともに、働くということ、労働そのものに価値を見出し、天職という概念が生まれました。そして勤勉な労働の結果として得られる富が、資本主義の萌芽につながったと考えられています。この資本主義社会は、資本家と労働者という立場を鮮明にし、労働に対して対価が与えられる過程で、労働は何らかの制約や苦痛を与える原因になっていったのかもしれません。
ところで労働とは私たちにとって苦役でしょうか。それとも天職でしょうか。あるいは使命でしょうか。働くことの考えは個人によって大きく異なるでしょうが、働くことによって得られる報酬が必要ないという人はないでしょう。営利を目的としない私たちのような組織でも、報酬は重要です。それは重々承知しています。
私たちの仕事は直接何かを生産するものではありません。しいて言えば、人をつくる、人の心をつくる、と言えます。言い過ぎでしょうか。少なくとも、皆さんと協力して、苦役と感じることのない職場にしたいと思います。
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