猛暑

天気予報をよれば北海道から沖縄まで至る所で猛暑ですが、その中でも群馬県は全国で最も暑い県の一つであることは間違いありません。県庁所在地の最高気温の高さでは、前橋市は常に上位です。以前から館林の暑さは有名でしたが、数年前から伊勢崎や高崎の名前をよく耳にするようになり、最近では太田や桐生の名前もたびたび登場します。35度ではもはや驚くに値しません。そのうち40度超えも当たり前になってしまうのでしょうか。 「適切にエアコンを使い、不要不急の外出を控え、のどが渇く前に水分や塩分をこまめに補給しましょう」こういった言葉を、私たちは一日に何度となく耳にします。ニュース番組の最後は、だいたいこのセリフです。当たり障りのない言葉ですし、実際この暑さですから当然といえば当然です。しかし私にはどうも違和感があります。 まず適切にエアコンを使え、という言葉です。私の外来に来る患者さんの中には、家にはエアコンなんてものはないよ、とおっしゃる方が時々います。さぞかし暑いと思いますが、それなりに工夫して涼をとっているようです。エアコンの普及率がどれだけのものか知りませんが、全世帯にあるはずがありません。そもそもエアコンを使うから余計に熱が発生し、世の中の暑さを悪化させているのですから、全くおかしな話です。 不要不急の外出を控えてください、という言葉も同じような印象を持っています。コロナ以降しばしば耳にしますね。それまでは、外出するときに急ぎであるかどうかについては考えることはあったとしても、その外出が必要かどうかということについてはいちいち考えることはなく外出していたはずです。改めて不要不急の外出を控えて、という言葉を聞くと奇妙な感覚を覚えます。 のどが渇く前に水分や塩分を補給してください、という言葉も不思議です。「のどが渇く前」というのは、のどが渇いて初めて「のどが渇く前」を知ることができるわけですから、のどが渇く前に水分や塩分を補給してください、という言葉は、どうもおかしいのではないかと感じてしまいます。 屁理屈ばかりになってしましましたが、それだけ今の世の中が暑いということなのでしょう。地球温暖化は、私たち地球に暮らす人間にとってだけでなく、あらゆる生物にとって極めて重要な問題です。個人でできることは些細かもしれませんが、常に念頭に入れることは大事です。原町赤十字病院も一つの組織として地...